海外サーバー経由のAV配信業者の社長ら逮捕

 

海外サーバー経由のAV配信業者が摘発。アメリカでは無修正アダルト動画が違法ではないのに、なぜカリビアンコムの社長らは逮捕されてしまったのか

caribian

事件の概要

アダルト動画サイト「カリビアンコム」でわいせつ動画を配信したとして、AV制作会社「ピエロ」の陳美里社長(67)とその息子夫婦ら計6人が、わいせつ電磁的記録頒布の疑いで2017年1月11日に逮捕された。

「カリビアンコム」は4000タイトル以上を配信し、「無修正アダルト動画最大手」を掲げているアメリカの動画サイト。

動画は日本国内で撮影。台湾にある別会社が内容の調整や動画の納品を行い、カリビアンコムで配信されていた。この台湾の別会社から、ピエロ側に支払われた金額は約9年間で約13億7000万円になる。

無修正AVの配信は日本では禁止されているが、カリビアンコムがあるアメリカでは禁止られていない。日本で配信したわけではないのに、なぜ逮捕されてしまったのか。

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海外サーバー経由でもダメな理由

奥村徹弁護士の解説
出典 https://www.bengo4.com/internet/1074/n_5583/

「アメリカでは児童ポルノ以外のアダルト画像(動画)に対する規制は弱く、アダルト動画を商品として提供することも適法とされています。

アメリカ国内では適法となる行為に、どうして日本刑法が適用されて検挙されるのか? この点については、最高裁の最近の判例(最決2014.11.25)で解決されています。

①この判例の論理は、まず、撮影・編集した画像(動画)をアメリカの業者に送信した日本国内の者とアメリカでダウンロード販売している者とを「共同正犯」(共犯)としてひとくくりにします。

②次に、日本人向けのダウンロード販売サイトというのは、購入者がクリックするなどの簡単な操作をするだけで、自動的に購入者にデータが送信されて保存されるのだから「有償頒布(ゆうしょうはんぷ)」にあたると評価しています。

有償:受けた利益に対して、代価を支払うこと。
頒布:配って広く行きわたらせること。

③さらに、日本国内の購入者の端末にデータが送信され、保存されたという部分に着目すると、それは日本国内で行われているので、日本刑法が適用されるというわけです。

この判例があるので、今回も同様の外国サイトについて、撮影した日本国内の関係者が「共犯者」として検挙されたと思われます。

他にも検挙事例がありますので、今後この業態についてはさらに検挙される可能性があります。

2014.11.25の判例も参考にして、簡単にまとめると

2014.11.25の判例
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84711

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84650

  • 運営者は、(アメリカ経由ではあるが)意図的に日本国内にいる不特定多数の顧客のパソコンへ有料配信した。
  • 運営者は、日本国内にいるので日本の法律が適用される。

以上によって、わいせつ電磁的記録頒布罪で逮捕された。

問題点

奥村徹弁護士
「問題点としては、アメリカにいる関係者は、自国の刑法に照らして適法な行為をしているのに、日本刑法では共犯者とされているので、日本国内に入ると検挙されることになり、アメリカにおける表現の自由に影響するのではないか、他国の風俗・文化政策に対する過度の干渉になるのではないか、などの点があります。

この判例の理屈によれば、海外であっても「無修正サイト」の頒布行為に関与していれば、どこで撮影しても、どこで編集しても、どこでアップロードしても、日本刑法が適用されることになります。また、同種のサイト経営者が日本国内に来た場合には、検挙される可能性はあると思います。

-ネット犯罪

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